中古スマホを購入する際に、検討すべき重要な項目の1つにバッテリーの劣化があります。
本記事では
- なぜスマホのバッテリーは劣化するのか
- スマホのバッテリー残量を確認する方法
- バッテリーが劣化した中古スマホを避ける方法
について詳細に解説します。
なぜスマホのバッテリーは劣化するのか
結論から言えば、現在のスマホはリチウムイオン電池を使用しているのですが、このリチウムイオン電池が仕組み上、充電を繰り返すと物理的に劣化するからです。
リチウムイオン電池は充電によって劣化する
現在のスマホの多くは、リチウムイオン電池を搭載しています。
リチウムイオン電池とは
リチウムイオン電池は小さいにも関わらず、非常にパワフルという利点を持つ電池です。
スマホに限らず、パソコンやコードレスクリーナーなど様々な電化製品に利用されています。
リチウムイオン電池はとてもパワフルで使い勝手の良い電池なのですが、充電を繰り返すと劣化していくという短所も持ち合わせています。

こちらの研究結果によれば、400回の充電を繰り返すと、電池容量が元の80%程度までに減少することがわかりますね。
また、800回充電を繰り返すと、電池容量は元の20~60%程まで減少してしまいます。
リチウムイオン電池の劣化を防止するには
リチウムイオン電池は特に高温に弱いとされています。
そのため、夏場などに、高温の状態で充電を続けると、バッテリーの劣化を猛烈に促進してしまいます。

充電機の繋ぎっぱなしも良くない?
「スマホの過充電は危険?専門家に聞くバッテリーへの影響や危険性の有無は?」によれば、満充電になった後もスマホの充電機をつなげ続けるのは、過充電の可能性もあり、あまり好ましくないとのことです。
一方で、現在のスマートフォンは充電時に電池が劣化しないように充電制御を工夫しているようなので、その悪影響は限定的であると思われます。
ーーーでは、ずっと充電し続けても問題はないということでしょうか。
山西:危険性はなくても、ずっと充電し続けると、リチウムイオン電池の劣化の原因になりえます。満充電に近い状態での充電は、電池劣化の観点から見ると良いことではありません。
スマホの過充電は危険?専門家に聞くバッテリーへの影響や危険性の有無は?
リチウムイオン電池が充電によって劣化する理由
この章はやや詳細な説明になるため、リチウムイオン電池の劣化について興味が無い方は読み飛ばして下さい。
リチウムイオン電池は
- 電解液が電気化学的に不安定になる
- 電極が劣化し、収められるリチウムイオンの量が減る
- バッテリーに内蔵されているコンピュータの精度が狂う
ことなどにより、劣化します。

簡単に言えば、リチウムイオン電池の劣化は物理的なものであり、不可避ということです。
参考記事
>>デジタル生活で活躍するバッテリの劣化はなぜ起こるの?
>>国立研究開発法人科学技術振興機構低炭素社会戦略センター「リチウムイオン電池の劣化挙動調査」
バッテリーが劣化したスマホを使うとどうなるのか
バッテリーが弱っているスマホを使うと、問題が発生することがあります。
まず最もメインのトラブルとしては、電池持ちが悪くなることが挙げられます。
例えば、バッテリーが元の80%の容量しかない場合、最大まで充電しても、バッテリーが新品だったときに比べて8割の時間しかスマホを使うことが出来ません。
次に起こりうるトラブルとして、スマホが起動しなくなることがあります。
これはめったに発生しませんが、極度にバッテリーが劣化している場合、スマホを起動するために必要な電圧まで達しなくなり、スマホを起動できなくなることがあります。



p>もっとも、このレベルまで劣化している中古スマホは、ほとんどないけど…
バッテリーの状態・残量を確認する方法
バッテリーの劣化状態を確認する方法は機種によって異なります。
iPhoneの場合:80%が目安
iPhoneでは、非常に簡単にバッテリーの劣化度合いを確認できます。
- 「設定」→「バッテリー」と進みます
- 「バッテリーの状態」をタップします
- 「最大容量」という項目に、バッテリーの健康度合いが表示されます
>>iPhoneのバッテリーの状態と使用状況を確認する(Apple公式)
こちらの最大容量が80%を切っているようであれば、バッテリーがある程度劣化していると言えます。



最大容量が80%を切っている中古iPhoneは避けるのが賢明。
Androidの場合
Androidの場合、バッテリーの劣化度合い確認機能は、標準機能としては搭載されていません。
そのため、使用している端末により確認方法はまちまちです。
また、以下の情報もOSのバージョン等により若干異なることがあります。
Galaxyの場合
- 「設定」→一番下の「端末情報」を開く
- 「バッテリー情報」をタップ
- 「バッテリー性能」を見る
Xperiaの場合
- 「設定」→一番下の「デバイス情報」を開く
- 画面下部の「電池性能表示」
- 電池の健康状態が表示される。
AQUOSの場合
- 「設定」→「システム」を開く
- 「端末情報」をタップ
- 「電池製造情報」をタップする



AQUOSでは具体的な%の値が表示されません。
arrowsの場合
- 「設定」→「電池」を開く
- 「電池の性能」をタップ
>>あなたのarrowsのバッテリー、元気ですか? まずは「バッテリー容量」をチェックしよう!
Pixelなどその他のAndroid端末の場合
標準機能としては、バッテリーの健康状態を確認できないので、別途アプリを入れる必要があります。
「AccuBattery」というアプリで電池の健康状態を確認できます。
アプリを起動して、数日間スマートフォンを使用することで、バッテリーの劣化度合いが推定されます。
Android標準の機能ではないので、あくまでも目安程度にしましょう。
劣化したバッテリーは自分で修理・交換できる?
結論から言えば、劣化したバッテリーを新しいバッテリーと交換することは可能ですが、止めておくのが賢明でしょう。
以前は、バッテリー交換が簡単にできるスマホも少なくなかったのですが、現在では、そのようなスマホはほとんど存在しません。
スマホのバッテリーを自分で交換するのがオススメできない理由
自力でのバッテリー交換をするのがオススメできない理由は、大きく分けて4点挙げられます。
理由1:現在のスマホは、バッテリー交換を想定した造りになっていない。
現在のスマホの多くは、防水・防塵性能を向上させるために、端末が厳重に密閉された造りになっています。
そして、バッテリーを交換するためには、この密閉を一旦剥がす必要があります。
実際に筆者は昔、自分でXperia Z1のバッテリーを交換した経験があります。
Xperia Z1のバッテリー交換では、密閉用の糊をドライヤー等で溶かし、背面カバーを剥がすという工程が必要でした。
そして、パネルを一旦剥がすことで、防水性能が著しく低下し、カメラのレンズに水滴がつくようになり、カメラがまともに使えなくなるということがありました。



もっとも、作業が下手だった可能性は否めないけど…
このように、防水・防塵性能が下がることの弊害は小さくありません。
理由2:性能が十分な交換用バッテリーが手に入るとは限らない
バッテリーの交換には、当然新しいバッテリーが必要になりますが、交換用のバッテリーがスマホメーカーから発売されていることはまずありません。
そのため、Amazon等で、非正規品を購入する必要があるのですが、これらのバッテリーの性能・安全性は保障されているものではありません。
爆発するリスクがある、といったことはないでしょうが、バッテリー性能が十分かどうか検証できないというのは、大きなデメリットと言えるでしょう。
理由4:自主修理はメーカーの保証対象外となる
スマホのバッテリーの交換は、スマホの改造に該当し、メーカー保証の対象外となることがほとんどです。
そうなりますと、バッテリー以外の部分(液晶・スピーカーなど)が故障した際に、メーカーの修理を受けられなくなる可能性があります。
メーカー保証が効かなくなることのデメリットは相当大きいと言えるでしょう。
バッテリーが劣化した中古スマホを避ける方法
以上、スマホではバッテリーが劣化するということを解説しました。



じゃあ中古スマホを購入する時は、バッテリーが劣化した状態で購入することになるの?



結論から言えば、多くの中古スマホのバッテリーは多かれ少なかれ劣化しています。
しかし、バッテリーが大幅に劣化した中古スマホを回避する方法は複数あります。
バッテリー劣化した中古スマホを回避する方法として
が挙げられます。
それぞれについて解説していきます。
「にこスマ」などバッテリー残量表示があるサイトで購入する
中古スマホ販売サイトの多くでは、バッテリー残量表示がされていません。
例えば、中古スマホ販売の最大手の1つであるイオシスはこのケースに該当します。
>>イオシスの中古スマホはバッテリー残量・状態が確認出来ない
大手の中古スマホ販売サイトの中で、バッテリー残量表示をしているサイトは多くありません。
ただ「にこスマ」はiPhoneについてのみ、バッテリーの残量を表示しています。



iPhoneを購入したくて、バッテリー残量が気になる人には「にこスマ」がオススメ。
メルカリなどのフリマアプリを使用する
- メルカリ
- ラクマ
- ヤフオク
といったフリマアプリでは、出品者によってはバッテリー残量を表示していることがあります。
このような出品者の売っているスマホを購入するのも1つの手ですが、フリマアプリでの中古スマホの取引では、トラブルが発生する可能性もあります。
そのため、フリマアプリでの購入は、初心者にあまりオススメ出来ない方法です。
>>詳細はこちら:【徹底比較】中古スマホはどこのショップで買うのがオススメ?
中古スマホ販売サイトで未使用品を購入する
中古スマホ販売サイトでは、中古品の一環として未使用品を販売していることがほとんどです。
文字通り、まだ使用されていない中古スマホのこと。実質的に新品と変わらない。
元々の購入者が様々な理由で、購入直後に中古スマホ買取業者に売却することで、未使用中古スマホが誕生する。
主に、回線乗り換え(MNP)によって得られる特典(キャッシュバックなど)目的で購入されたスマホが未使用のまま売却される。
未使用品は文字通り1度も使われていないため新品同様ですので、バッテリーの劣化度合いも新品同様です。



スマホは新品であろうと、若干のバッテリー劣化は必ず生じます。
しかし、この劣化は誤差の範疇なので、気にする必要は全くありません。
例えば、中古スマホ販売サイト大手の1つであるイオシスでは、中古スマホも多く販売されています。
>>中古スマホのイオシスの評判は悪い?→大手の安心感


中古スマホで注意すべきポイント
以上、中古スマホを購入する際に問題となる、バッテリーの劣化の問題について解説してきました。
ただし、中古スマホの購入にあたって注意すべきポイントはバッテリーだけではありません。
他のポイントも合わせてまとめて解説した記事はこちらです。


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